コレクション: 無添加のキッシュが焼きあがるまで…

キッシュとは、フランスのアルザス・ロレーヌ地方の家庭料理です。隣国にドイツがあることからロレーヌ地方のキッシュは、特に「キッシュ・ロレーヌ」と呼ばれ、ベーコンやハムのみを具材としたシンプルなキッシュのことを指します。

しかしながらキッシュの具材に特別な決まりはありません。これまで沢山のキッシュを試作してきた結果、美味しい素材を使って丁寧に焼き上げたキッシュは、どんな具材を使っても、それぞれに美味しく焼き上がり、試食して頂いたお客様からも大変なご好評をいただき、少し不安に思っていた通信販売を始める気持ちが固まりました。本当にありがたいことですし、ご意見を頂いた方々に心から感謝を申し上げます。

本題に戻りますと、つまりキッシュとは・・・

「キッシュ」=パート(プリゼ)+アパレイユ(卵液)+具材+チーズ

これらの4つの素材を組み合わせて味のマリアージュを楽しむことができる最高の「おつまみ」だと思っています。また、キッシュの生地はパートプリゼといって「パート=生地、プリゼ=壊れやすい・砕けたの意」からも分かるように、生地はサクサク、口の中でホロホロっと壊れるような食感を保っていなければならないと思うのです。

さっくりと軽いタイプの生地も、ずしっと思いタイプの生地も、材料の配合によって様々なタイプに焼きあがります。アパレイユ(卵と乳製品を混ぜたもの)とナチュラルチーズの組み合わせ方も無限大で、どの様な組み合わせでも、素材を吟味しているからこそ絶妙な味のハーモニーが出来上がるのです。

そもそも添加物とは何か?

添加物とは、次のように食品衛生法で定められています。

添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいいます(食品衛生法第4条第2項)。」

私たち食品製造業者は、全ての商品に「原材料」として、使用している食品添加物を明確に表示する責務を担っています。表示する食品添加物は、原材料として使用し味覚や視覚や食感に影響を与えるもの全てです。これは、お客様が購入される際の「選択の指標」として、役立つ情報を明確にするために課せられた義務だと思っています。原材料の「/(スラッシュ)」以下は全て食品添加物の表示です。

添加物の種類には次の8つがあります。「1.甘味料 2.着色料 3.保存料 4.増粘剤・安定剤・ゲル化剤・糊料 5.酸化防止剤 6.発色剤 7.漂白剤 8.防かび剤・防ばい剤 」

そして食品添加物は「食品の原材料の製造又は加工の過程において使用されるもの」を少量もしくは微量のため、キャリーオーバーとして表記を免除しても良いという規定があります。

分かりにくいですが、キッシュでベーコンを原材料として使用していたとしましょう。そのベーコンの製造過程で使われた食品添加物が、焼きあがったキッシュにどれだけ残留している可能性があるのか、ということになります。そこで表記は各自の責任として委ねられています。一般的にベーコンには、味を良くする甘味料、色を綺麗に見せる着色料および発色料、肉の品質を安定させる増粘剤や安定剤・ゲル化剤・糊料などの食品添加物が使われることがあります。美味しそうに見えないと消費者は買ってくれないと生産者は頑なに思っているのかもしれません。もちろん、美味しそうに見えるということは大切なことだと、私たちも考えています。

厳選した原材料を使った食品添加物不使用のキッシュ!

新鮮な素材にこだわった結果、行き着いた場所はやはり家庭的な味でした。フランスの"Maman"が家族のために焼いてくれたキッシュは、食品添加物を使う必要がないのですから。まず、無添加であるためには、新鮮な食材とフレッシュなチーズや乳製品を使わなくてはなりません。素材にこだわるからこそ、国内製造の小麦粉を使用し、新鮮な乳製品で作られた国産のバターや生クリームやナチュラルチーズを使用しています。

例えば、新鮮な海老や帆立貝とアボガドを使って焼いたキッシュは、原材料に食品添加物を使用する必要がありません。また旬の野菜や果実をメインに使って焼き上げたキッシュは、国内産の原材料と自然由来の調味料にこだわった結果、食品添加物を使用する必要がなかったのです。

このように調理法や原材料にこだわった結果、私たちのキッシュは、身体に悪影響を及ぼす恐れのある食品添加物を可能な限り使用せず、身体に優しい自然の原材料だけで手作りしています。本来なら野菜や果実を自分たちで収穫し、ハムやベーコンなどの加工肉を燻製して、本当の無添加のキッシュを焼きたいのですが、現実問題として難しいのが現状です。しかしながら、心を込めて焼き上げた「美味しいキッシュ」をご自宅までお届けするために、これからも努力し続けていきたいと考えています。